「メアリー=エリザベス・ヤーボローとカディム・アリ」展

2007年5月26日(土) - 6月2日(土)
期間: 2007年5月26日(土)- 6月2日(土)
開廊日時: 12:00 - 19:00
*最終日は17時まで
*日曜日は休廊
会場: SCAI X SCAI(六本木)

六本木のSCAI X SCAIでは、バッカーズ・ファウンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ〔AIT〕に協力し、5月26日(土)〜6月2日(土)の間、「メアリー=エリザベス・ヤーボローとカディム・アリ」展を開催いたします。1週間の短い会期となりますが、ぜひお越しください。


[展覧会概要]
バッカーズ・ファウンデーションとNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ〔AIT〕は、若手アーティストとキュレーターの活動を支援するレジデンス・プログラムを2007年より開始し、アーティスト2名とキュレーター1名を東京に三ヶ月間招聘しました。


本展では、現在、東京に滞在中のメアリー=エリザベス・ヤーボロー(1974年生まれ、アメリカ・サンフランシスコ在住)とカディム・アリ(1978年生まれ、パキスタン・クエッタ在住)が、都市を歩き、人々の生活や日本の文化に触れるなかで感じた発見や驚き、戸惑いを通じて、新たに制作された作品を発表します。


[クレジット]
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ〔AIT〕
共催:バッカーズ・ファンデーション
協力:SCAI/白石コンテンポラリーアート、(株)ヨックモック


[お問い合わせ]
NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ〔AIT〕
渋谷区猿楽町30-3ツインビル代官山A502
Tel: 03-5489-7277
Email:office@a-i-t.net

メアリー=エリザベス・ヤーボロー Mary-Elizabeth Yarbrough
1974年 アメリカ・マイアミ生まれ、サンフランシスコ在住
2002年 サンフランシスコのカルフォルニア・カレッジ・オブ・アーツ(CCA)にて修士号を取得。
ヤーボローは、さまざまな色のテープを細かく切り貼りして、テレビやインターネット、ポップ・カルチャーから取り出したイメージを緻密に描くペインティングを制作しています。
初来日となる彼女は、東京で生活する中で、日本のカラオケと演歌の文化に関心を寄せました。例えば、日本以外の国々のカラオケは、見知らぬ人々の前で歌を披露するのに対して、日本では小部屋で友人たちと歌を楽しむこと。そして、美空ひばりの歌やファッション、舞台で歌う独特の姿などにも興味を抱き、それらが東京での作品制作の出発点となりました。
今回の展覧会では、東京で集めた素材を細かく切り、重ね、日本のカラオケ文化を題材としたペインティング2点や彫刻作品1点を発表します。また、オープニングでは、歌のパフォーマンスをする予定です。


カディム・アリ Khadim Ali
1978年パキスタン・クエッタ生まれ、在住2003年ラホールの国立芸術大学(美術)を卒業 2006年福岡アジア美術館のレジデンス・プログラムに参加したほか、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)に出品。
カディム・アリは、アフガニスタン中部のバーミヤン出身。タリバーンによる仏教寺院の破壊後、パキスタンの北西に位置するクエッタに住むパキスタン人アーティストです。アリは伝統的な細密画の技法を用いて、現代社会を映し出す作品を制作しています。細密画は、金箔や銀箔、顔料を素材とし、人物や自然、カリグラフィー(装飾文字)が描かれるのが特徴です。アジアにおいては、南・西アジアのイスラム文化圏で写本装飾のために発展し、16~19世紀にインド全域で全盛を迎えました。その後、パキスタンで新たな展開をみせ、伝統的な技法を受け継ぎながら、現在では、現代の社会問題を描き出す作品が多く見受けられます。
アリは、ヨーロッパ出身の女性と出会い、彼女が母国に幼い娘を残して、東京で働いていることを知りました。展覧会では、女性が子守歌を歌うビデオ作品と、彼女との出会いから着想を得た細密画4点を発表します。