長島有里枝 展 「Candy Horror」
2004年12月17日(金)- 2005年2月5日(土)
期間: 2004年12月17日(金)-2005年2月5日(土)
開廊日時: 12:00-19:00 *会期中 日・月及び冬期休暇(12/28-1/6)の間は休廊
作品: 新作写真約30点
開廊日時: 12:00-19:00 *会期中 日・月及び冬期休暇(12/28-1/6)の間は休廊
作品: 新作写真約30点
本展は長島有里枝の4年ぶりの本格個展となります。2004年12月刊行の新作写真集『not six』では全編夫のポートレイトを発表、密度の濃い天才写真家ぶりを発揮した彼女の今回の個展は一転してアーティスト・長島有里枝を十分に堪能できる内容となっています。
作品はこの4年間の間に撮りためてきた新作約30点。 スケール感のある風景写真から身近な些末なものへの親密なまなざしまで、それぞれ異なった距離感をもった一連の写真を展覧会全体として俯瞰した時、鑑賞者は何か胸騒ぎがするような物語性を背後に感じることとなります。
タイトルの"Candy Horror"が象徴するものは、人と関わりながら生きていく個人の日常のなかに潜むある種の恐怖の瞬間のようなものかもしれません。他人との距離感をはかりながら私たちは家庭や社会の時間を過ごしてゆきます。しかし、他者との距離感が何かをきっかけとして突然変化したり、あるいは平凡な毎日に隠れて見えなかったものが突然形をもって現れた時、それは自己のアイデンティティをも揺るがすような暴力をともなって既存の意識を凌賀してしまうかもしれません。こうした幾分映画的な試みについて長島有里枝は時にユーモアをまじえながらしかし一切の感傷を排除した強い視線のもとに取り組んでいます。
アーティストとしてのキャリアをスタートした当初から長島有里枝が変わらずに扱ってきたのは家族や身近な存在と自己との関係性でした。本展ではそこにある種の緊張感を持ち込んで再構成する手法がとられています。
前回の個展ののち母となり、アーティストとしてだけではなく人間としてもさらなる成長を遂げてきた長島有里枝の新境地となる本展にぜひご期待ください。