Toru KAMIYA、installation view 2008、oil on cotton、each. 20 x 23 cm
Toru KAMIYA、installation view 2008、oil on cotton、each. 20 x 23 cm

神谷徹「closer」

2008年7月11日(金)- 8月2日(土)
期間: 2008年7月11日(金)-8月2日(土)
開廊日時: 12:00-19:00 *木、金、土曜日のみオープン
展示作品: ペインティング 約30点
会場: SCAI X SCAI(六本木)

神谷徹は1969年生まれ。
東京芸術大学油画科大学院卒業の後、アイルランド政府奨学生としてダブリンへ留学、その後もアーティストインレジデンスで同じくダブリンに2度滞在しています。
近年はオフィスビルや学校、駅への作品設置など、パブリックアートの仕事も多く、その場所へとけこみながらも静かな存在感を示す神谷徹の作品は高く評価されています。


神谷徹の作品は、具象的なイメージを描いた油彩、もしくは色彩豊かなグラデーションをベースに繊細な線描をほどこすアクリル絵具を使用したシリーズがあります。
いずれも日々の生活の中の何気ない光景や体験を写真に撮り、それを元にその場のもつ空気の印象を、色や光などを強く意識して絵画化したものです。実際目に見える世界であるものの、作家の心情が反映され、独特の光景が浮かび上がってくるのが特徴です。


本展は展覧会タイトルの「closer」が示すように、身体的にも視覚的にもより接写したイメージが主体になっています。
壁紙の模様を油彩で描いた新作は、2次元の世界をキャンバスという平面上に移行するということで生まれる違和感が不思議な感覚を呼び起こします。またアクリル画シリーズの方でも同じく布の模様や、ジオラマの風景がモチーフになっており、壁に掛けた絵画という特別なものを鑑賞しているというより、手にとって間近で布や模型を見ているかのような親しさを感じさせられる作品となっています。


今回は比較的作品のサイズを小さくし、ミニマルに連動していくように展示します。
そんなインスタレーションと相まって、絵画と一体化していくような心地よさの中で展示空間全体を鑑賞していただけるのではと思います。神谷徹の新作個展にぜひご期待ください。