「Trieb」、1995年、700×500cm、火、大気、太陽、大地、鉄(ヘルシンキ)
「Trieb」、1995年、700×500cm、火、大気、太陽、大地、鉄(ヘルシンキ)

遠藤利克 展「空 洞 説」

2005年2月25日(金)- 3月26日(土)
期間: 2005年2月25日(金)-3月26日(土)
開廊日時: 12:00-19:00 *会期中 日・月・祝日休廊
作品: すべて新作。大型彫刻、壁面設置立体、写真など

1950年生まれの遠藤利克は日本を代表するアーティストのひとりとして70年代より作品発表を続けています。80年代後半から90年代はじめに北欧や英国を巡回する個展で国際的な評価を確立した遠藤は1990年のヴェニス・ビエンナーレでは日本館展示作家として注目を集め、その後もヨーロッパ、アメリカ、韓国など各地の国際展を通して精力的に作品を発表し続けています。近年ではオランダでの個展、妻有里トリエンナーレへの参加、東京国立近代美術館・大阪国立国際美術館で開催された「連続と侵犯」での音を使用した作品発表など新たな試みが大きな反響を呼びました。


1999年の「Trieb - 振動 II ・III」以来、6年ぶりの個展となる今回の展覧会では、新しいテーマとして「空洞説」が提示されます。「円環」、「Trieb」を通して一環して人間や集合体の根元的な力の源を追求してきた遠藤が掲げる「空洞説」は人間社会から疎外され、封印されたある種の禁忌でありながら、人間にとって欠くことのできない大きな力をもった世界を意味します。決して言語化されない一方大変な影響力をもつこの時空間は、現代社会がどこまで人間性や感情を切り捨てた合理性に走ろうと人間の意識の底に共通認識として存在し、時に圧倒的な影響力を発揮するのです。
本展では巨大な彫刻を中心に新たなテーマが作品化されます。作家の新境地にぜひご期待ください。