過去の企画展

『奇妙な広場の姉妹』、2008、collage and acrylic on canvas、194 x 162 cm 『奇妙な広場の姉妹』、2008、collage and acrylic on canvas、194 x 162 cm

  • 『奇妙な広場の姉妹』、2008、collage and acrylic on canvas、194 x 162 cm
  • 『本当はあの黒い缶の中に入りたい』、2008、collage and acrylic on canvas、258.9 x 193.5 cm
  • 『美しい青の横で眠る』、2007、collage and acrylic on canvas、80 x 40 cm

展示風景

  • Photo by Keizo Kioku
  • Photo by Keizo Kioku
  • Photo by Keizo Kioku
  • Photo by Keizo Kioku
  • 『虫の家』、サイズ可変、mixed media

奥原しんこ「眠る人」

2008年4月11日(金) - 5月17日(土)

日本人離れした大胆な色彩感覚とコラージュによる人物の表現で独自の作風を追求してきた 奥原しんこが今回初めて大作ペインティングとインスターレションによる本格的な個展を開催いたします。


個展のテーマは「眠る人」。 都市空間の中の空虚な場所、公園やハイウェイの高架下など様々な風景の中に横たわる女性が描かれている大きなカンバス。女性達は無防備に体を横たえ、都会の上にひろがる無限の空を眺めているかのように眠っています。


この「眠る人」のシリーズでは、様々な場所へ寝転び、上を眺め、こんな所でこのまま眠ってしまっては恥ずかしいし危ないけれど気持ちが良いだろうなという願望を描き続けている。隣合わせる色の組み合わせは頭の中で混乱した色を表し、その場所で眠っている女性は自分自身をリセットすることで無色になることを表している。(奥原しんこ)


世界の無限を感じさせる広がりのある構図により風景は完璧な舞台装置となり、鑑賞者のまなざしを「眠る人」に誘います。そしてそこに横たわる人物は奥原独自の手法であるコラージュにより誰でもない誰かを示唆しているようです。


奥原は巷にあふれる雑誌や広告など様々な紙媒体を切り刻み、それを再構成することでコラージュの人物を作り出します。その人物像は情報社会のサンプリング手法を象徴するかのような、様々な情報をかき集めいったん解体して継ぎ合わせたような混沌と不安定さを持っています。そのため、人物は顔を持ちながらその顔が誰でもない、固有の誰かでない空虚さと深い感情を持たないイノセンスを持ち合わせた優美でありながらどこかさみしいサイボーグの様相を示しているようです。


肉体を構成するそれぞれの要素にはリアリティがありながら全体としては宿命的な歪みをもって寝転がる人形のような人物。 世界と人物の間のつながりはとても稀薄でそこにある種の混乱した状況が展開される一方、絵全体の世界観はその混乱の収束を予感させる静けさをともないコンピュータの中でフリーズした風景のように鑑賞者の視線を捉えます。世界は静かにリセットの時間を待っています。


これまでおしゃれで都会的な作風が評価されてきた奥原ですが、今回の個展では本質として持っている「個の強さ」や「日常に潜む怖さ」をほりさげた新境地が展開されます。

期間: 2008年4月11日(金) - 5月17日(土)
開廊日時: 12:00-19:00 *日・月・祝日休廊