Izumi Kato "Untitled" 2004, wood, charcoal, acrylic, h. 205 x w. 56 x d. 52 cmphoto : Keisuke Yamamotoprivate collection
Izumi Kato "Untitled" 2004, wood, charcoal, acrylic, h. 205 x w. 56 x d. 52 cm
photo : Keisuke Yamamoto
private collection

加藤泉 展「裸の人」

2005年4月9日(土) - 5月7日(土)
期間: 2005年4月9日(土)-5月7日(土)
開廊日時: 12:00-19:00 *日・月 休廊。4/29, 5/3, 4, 5の祝日はオープン。
作品: 新作彫刻作品約3点、ペインティング

「自分には美術が必要だと確信するまでに何年もかかった」と言う加藤は、美大卒業後、数年のブランクを経て、画家としてのキャリアをスタートしました。加藤の作品には、常に「生き物」が描かれており、その「生き物」は胎児とも昆虫ともつかないような原初の生命や、赤ん坊、もしくは国籍/人種/年令など一切の表層を剥ぎ落とした人を思わせます。そして、それらは、時に境界線のはっきりしない、不安定な色彩の中から、時に眩しい程鮮やかな色彩の中から現れ、不気味さ、愛らしさ、空虚さ、暴力性、様々なものを感じさせながらも、その「存在そのもの」としか言い様のない、「強烈な何か」を観る者に投げかけます。


近年、加藤は絵画と平行して彫刻作品も制作しています。
2004年、水戸芸術館現代美術センターで開催された「lonely planet 孤独な惑星」展で発表した、巨大な頭部をたずさえ、不安定にも立ち上がろうとする、巨大化した赤子のような彫刻作品は、強烈なインパクトを与えました。それは、プリミティヴ・アートが持つような直接性を感じさせながらも、やはりそこにさえ回収されることを避けるようです、いや、むしろ、そこにすら居場所のないものが現れてしまったと言った方が正しいかもしれません。そして、「あの生き物」つまるところそれは、現代に生きる我々そのものではないでしょうか。


本展と同時期に、ニューヨークでのグループ展にも参加する等、国際的にも益々注目が高まる加藤泉の最新作に是非ご期待ください。