宮島達男: "Arrow of Time (Unfinished Life)" @The MET Breuer, NY

ニューヨーク・メトロポリタン美術館の分館として３月にオープンしたMET Bauerにて、宮島達男が新作インスタレーション《Arrow of Time (Unfinished Life)》(2016年) を発表いたします。新作に向けて作家は以下のように話しています。

「Arrow of Time (時間の矢)」とは、イギリスの天文学者 Arthur Stanley Eddington が提唱した「時間の不可逆性」を表した言葉。

私の Counter Gadget （数字のLEDの表示器)は、1から9とカウントしていき、"０"は表示しない。これは、「人の命の時間」を示している。カウントしているときは「生」を"０"で暗闇になる時は「死」を表し、それが繰り返される。これは仏教でいう「輪廻転生」を示し、「永遠の生命」を表徴する。また、それぞれの Counter Gadget は全て、カウントするスピードが違っている。これは、違う人種、違う宗教、違う言語、違う皮膚の色、違う文化などを持つ、差異のあるあらゆる人々の命を表している。そして、それら全ての「命の時間」が宇宙から降り注ぐシャワーのように落ちてくるイメージでインスタレーションされる。

私は、この作品で、「不可逆的な時間のシャワー」の世界の中で、様々な差異のある人々が、今この時を共に生き、この地上で出会う「命のハーモニー」を、そのような奇跡の「今」を表現したかったのである。

２０１６年３月　
宮島達男

《Arrow of Time (Unfinished Life)》は、Met Breuer のロビー、Tony and Amie James Galleryに設置されます。

"Unfinished: Thoughts Left Visible"
2016年3月18日〜9月4日
MET Breuer、3&4階
945 Madison Ave, New York, NY 10021
http://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2016/unfinished