Dzine 展「Beautiful Things」

2004年5月14日(金)- 6月19日(土)

米国の若手大型ペインターDzine(ディーザイン)の日本での初個展です。


Dzineは、2003年9月に、シカゴの現代美術館にて[sampler]と題された高さ2.4 x 幅9mの巨大なペインティングを発表しました。この大作の抽象画は、ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコといったアメリカの抽象表現主義の大家の力強い構成力、あるいはモーリス・ルイスらカラーフィールドペインティングの作家の闊達な色彩世界を継承するペインターとしての身体による表現力への無数の実験の痕跡や音楽的なメディテーションを想像させる精神世界の深みを感じさせてくれます。一方、シャープなマチエールを残しながらいくつもの丁寧なプロセスを経て描かれた大画面には、それを敢えてアクリルやガラスビーズで全面覆うというプレゼンテーション等を通して21世紀のアーティストとしての進化や挑戦を確かに見ることができます。斬新でセクシーな色使いとマインドとフィジカルのコントロールをぎりぎりにした形態表現。音楽やポップカルチャーのバックグラウンドに固執するストリートアーティストの作品ではなく、アメリカのペインティングの歴史をも変えうるポテンシャルを持つ興味深い作品として、パリのパレ・ド・トーキョー館長、ジェローム・サンスに絶賛されるなど、新鮮な驚きをもってオーディエンスに迎えられました。


本展示では、その[sampler]を中心に、アクリルペインティングをガラスビーズで覆った手法による新作等、今まで誰もみたことのない「新しい絵画」が豊かな色彩表現と実に斬新なイマジネーションの中で展開されます。全てやりつくされ、もう何も残ってないかと思われていた平面表現に対する新たな挑戦は理屈を超えて鑑賞者にアートに出会う喜びを伝えてくれることでしょう。


展覧会タイトルにこめられた、美に圧倒される、という感覚。90年代以降の平面表現に見つけることが稀だったこの原点の感覚をDzineの作品が呼び覚ましてくれるに違いありません。

期間: 2004年5月14日(金)-6月19日(土)
開廊日時: 12:00-19:00 *会期中 日・月 休廊
作品: 高さ2.4 x 幅9mの大作ペインティングなど、小品も含め16点前後展示