ジュリアン・オピー

2000年11月14日(火)- 12月9日(土)

1959年生まれのオピーは都市の風景や建築物、車など、現代社会の見慣れた風景を簡潔に記号化した彫刻と平面で知られています。いわゆるイギリスのニュー・スカラプチャーの一連の世代と63年生まれ前後からとされるYBA世代のはざまに位置する世代のオピーの作風は、前者の流れをある種アンチテーゼ的に受け継ぎながら、後者につなげる形で発展してきました。どこかユーモラスな筆の跡の残る絵画的な彫刻からスタートした80年代前半から、工業製品やショーケースのようなミニマルさを追求した80年代後半の流れを経て、90年代後半以降の近作ではグラフィック的な視点で自動車や、建造物などの形態を単純化し、再構築することによって、ものを見ること、何かを認識すること、あるいは都市空間と個人との関係性等のリアリティを喚起します。また、現代社会を最も象徴するイメージのひとつとして自動車や空港などの移動やスピードの装置を作品に多用することでも知られています。


東京では初めての個展となる今回、バーゼルアートフェアでも話題になったポートレートのシリーズを中心にしながら、平面作品及び立体作品を多角的にご紹介します。約30点に及ぶ作品は、壁面を覆う大作から思わずコレクションしたくなるような小品まで幅広く展示します。

期間:2000年11月14日(火) - 12月9日(土)